子どもと高齢者などの支援に関する特別委員会 2024年(令和6年) 8月2日
2026/04/24
相模原市 令和 6年 8月 子どもと高齢者などの支援に関する特別委員会 08月02日-01号 ※相模原市議会議事録
○栗原大委員長 ただいまから子どもと高齢者などの支援に関する特別委員会を開会する。
出席委員は9名で定足数に達している。
これより審査に入る。
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○栗原大委員長 子どもの権利保障と育ちに関する施策、高齢者の介護・医療・ケア等の充実強化及び移動支援に関する調査研究についてを議題とする。
本日は、前回の委員会での協議を受けて、今年度の活動テーマに関する本市の現状等について、当局から提出された資料の説明を受ける。
初めに、高齢者の介護・医療・ケア等の充実強化について、説明をお願いする。
◎米山地域包括ケア推進部長 お手元の資料、地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制の整備について説明する。
2ページを御覧いただきたい。まず、地域共生社会について説明する。地域共生社会とは、制度、分野ごとの縦割りや支え手、受け手という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人一人の暮らしと生きがい、地域を共につくっていく社会と定義されている。
簡単に表現すると、下の矢印にあるとおり、高齢者や障害のある方、子供など、地域で暮らす誰もが地域で役割を持ち、互いに支え合い、生き生きと安心して暮らすことができる社会と表現することができる。
なお、右下の参考にあるとおり、地域共生社会の実現については、社会福祉法第4条に規定されている。
3ページを御覧いただきたい。地域共生社会を実現するために必要な支援について、先ほど説明した地域共生社会の定義を基に、細分化して説明する。
1つ目は、制度、分野ごとの縦割りを超えるについてである。介護保険や障害福祉など、既存の制度の枠組みでは対応が困難な8050問題や介護と育児のダブルケアなど、複合化、複雑化した課題を抱える世帯や人が近年顕在化してきている。
これらの課題に対応していくために、右の矢印にあるとおり、制度を人に当てはめるというアプローチから、人や世帯の生活課題に応じ、必要な支援を検討するアプローチに転換し、複合化、複雑化した課題を受け止め、対応することができる包括的な相談支援が必要になる。
2つ目は、支え手と受け手という関係を超えるについてである。介護サービスなどで考えると、支援する側と支援を受ける側がはっきりと分かれている場合が多いが、互いに支え合って暮らしていく仕組みづくりが必要であり、右の矢印のとおり、介護等の支援が必要な人であっても、できる範囲で地域における役割を持って、生きがいの創出や孤独感の解消につなげる参加支援が必要になる。
3つ目は、地域を共につくるについてである。地域の関係性が希薄化する中で、市民が安心して暮らすことができる社会をつくるためには、行政のみならず、地域で活動する団体や企業などがつながり、地域の課題を地域主体で解決する力を伸ばしていくことが必要であり、右の矢印にあるとおり、地域の中で展開される各種活動がつながることができる環境の整備や住民主体の新たな活動を創出するための地域づくりへの支援が必要になる。
これら3つの支援を一体的に実施することを包括的支援体制の整備という。
一番下の参考にあるとおり、包括的支援体制の整備については、社会福祉法第106条の3に規定されている。
4ページを御覧いただきたい。本市における包括的支援体制の整備についてである。
初めに、背景、課題についてである。社会的背景として、本市においても、少子高齢化の進展や世帯構成の変化、地域の関係性の希薄化などの社会問題に起因し、課題として、8050問題や介護と育児のダブルケア、ヤングケアラーなど、世帯が抱える課題が複合化、複雑化していることや、福祉等の既存の制度の枠組みでは対応が困難な制度のはざまの問題などが顕在化している。それらを解決していくためには、誰一人取り残さない地域共生社会の実現を目指し、複合化、複雑化した課題を受け止め、対応することができる、新たなサポート体制の構築が必要である。
このため、右の図のとおり、本市においては、平成29年6月に改正された社会福祉法の趣旨や、本市の状況を踏まえて3つの円で囲んである包括的な相談支援、地域づくりへの支援、参加支援のそれぞれの方向性を定め、3つの支援を柱として、包括的支援体制の整備、充実に向けた施策を展開してきた。
本市における包括的支援体制の整備については、相模原市総合計画推進プログラムや本年3月に策定した相模原市地域共生社会推進計画、相模原市高齢者保健福祉計画、共にささえあい生きる社会さがみはら障害者プランに位置づけ、取組を推進している。
5ページを御覧いただきたい。包括的支援体制の仕組みにより対応する事例について紹介する。
まず、8050問題だが、①の事例は、50代の精神障害のある子供は在宅復帰を望んでいたが、父は亡くなり、母は認知症があることから、在宅生活が困難なため、短期入所のサービスを利用している事例になる。
②の事例は、40代の精神障害のある子供の問題行動により、本人のみならず、母の福祉サービスの利用契約の継続が困難になっている事例である。
これらの課題は、本人だけではなく、世帯全体の課題として捉える必要があり、高齢分野と障害分野が連携して対応していくことが必要となる。
次に、制度のはざまの課題だが、脳の疾患を抱える男性が家族からDVを受け、家から追い出されてしまい、行く場所がなく、また、障害者手帳を取得しておらず、預金があることから、生活保護の対象にもならないという事例である。この方の支援を検討する際には、どの制度に当てはまる方なのかという視点ではなく、この方にはどのような支援が必要なのかという視点から、関係部署が情報共有し、連携しながら対応していくことが必要となる。
次に、本年4月に新聞記事になった事件を参考に紹介する。事件の概要としては、90代の父と50代の子供の二人暮らしで、子供は亡くなってしまったが、父はその遺体を放置してしまい、死体遺棄容疑で逮捕されたものである。父は、お金がなく葬式ができず、どうしていいか分からず時間がたってしまったと話していたそうである。このような事件をなくすためにも、地域における日頃の見守り支援や訪問などによるアウトリーチ支援など、包括的に支援する体制が必要と考えている。
6ページを御覧いただきたい。本市の包括的支援体制の目指す姿を体系図にしたものである。
包括的な相談支援については、上段の点線部分では、区の圏域ごとに既存の庁内外の相談支援機関において分野横断的な連携を強化し、断らない相談を実施するとともに、庁内に相談支援包括化推進員を配置し、福祉分野以外の部局においても福祉的な課題に気づき、適切な窓口への連携を実施する。
また、複合化、複雑化した課題など、各分野の相談支援では対応が困難なケースについては、下の点線部分で、生活困窮の相談窓口である自立支援相談窓口の体制を強化し、相談支援機関に関する助言や関係機関を招集して、役割分担などを担う重層的支援会議の開催など、多機関連携を促進する取組を実施する。
また、一番下の黒丸で、潜在的な課題を抱える方やひきこもり等で支援が行き届いていない方に対しアプローチしていくために、アウトリーチ支援体制の強化を行う。
一番上の市圏域においては、体制の検討のほか、区ごとの多機関連携がスムーズに進むよう、サポートを実施する。
右側上段の地域づくりへの支援については、自治会や地区社会福祉協議会、民生委員、NPOなどの地域の団体が実施する地域づくりの取組があるが、地域の団体と各種地域活動の情報共有を図り、連携や交流が促進される仕組みを構築し、地域主体の地域課題の解決に向けた取組を促進する。
下段の参加支援については、障害分野の福祉的就労や生活困窮分野の就労準備支援、シルバー人材センターなど既存の社会参加の制度があるが、制度の対象とならない方に対応していくため、個々のニーズや適性に応じた活動の場とのマッチングや、様々なニーズに対応するため、活動の場を新規開拓するなど、コーディネートを行う者を配置し、役割を持った形での社会参加を促進する。
7ページを御覧いただきたい。最後に、近年実施してきた包括的支援体制の充実に向けた主な取組について紹介する。
まず、包括的な相談支援に関する取組である。
1つ目は、令和5年1月から相談支援包括化推進員を配置した。これは庁内56の課、機関に推進員を配置し、包括的な相談支援に関する研修を行い、様々な部署の事業内容を理解することにより、分野横断的な相談支援体制を構築するものである。
次に、本年2月から生活困窮の窓口である自立支援相談窓口による支援体制の整備を実施している。これは多機関連携を促進し、複合化、複雑化した課題に対応するため、調整役を担うセクションを構築するものであり、中央区において試行実施している。今後、緑区及び南区の体制も令和7年度の実施に向けて検討を行っていく。
次に、本年4月に中央障害者相談支援キーステーションを設置した。キーステーションは、障害のある方に対し、総合的、専門的な相談支援を行う窓口であり、緑区及び南区に続き、中央区にも設置し、区ごとの相談支援体制を強化した。
次に、本年5月に若年性認知症相談窓口を開設した。若年性認知症は、発症した本人のみならず、家族や仕事、経済面への影響など複合的な課題が生じることから、個々の状況に合わせた相談支援を行う専門の相談窓口を北里大学病院内に開設した。
続いて、2つ目の地域づくりへの支援に関する取組である。
本年3月に、地域資源情報公開サイト、さがみんナビを開設した。これまで、様々な分野、機関が個別に管理していた地域資源について、地域資源の見える化とともに、一元的に情報管理、共有、提供ができる仕組みを導入し、市民のニーズと地域資源を効果的にマッチングすることで地域主体の地域づくりを支援する。
次に、本年7月から認知症サポーター活動促進・地域づくり推進事業、チームオレンジを実施している。認知症のある人やその家族の日常生活の支援ニーズと認知症サポーターの多様な支えをマッチングするとともに、活躍の場を増やすため、チームオレンジサポートセンターを開設し、コーディネーターの配置や認知症のある方等の居場所づくりや相談会、交流イベント等を開催し、認知症と共に暮らせるまちづくりを推進する。
最後に、参加支援に関する取組である。
本年6月に就労的活動支援コーディネーターを配置した。高齢者や障害者等で既存の制度では社会参加が困難な方に対して、個々のニーズや個性を考慮し、希望に合ったボランティアなどの活動の場へのコーディネートや活動の場を開拓する。
今後も、分野ごとの支援体制を強化するとともに、包括的な相談支援、地域づくりへの支援、参加支援の3つの支援を効果的かつ円滑に実施するための取組を進めていく。
説明は以上となる。
◆阿部善博委員 すごく大事な、いいことをしているので進めてほしいが、具体的にどうやっていくかが結構問われると思う。本市における包括的支援体制の整備で、地域づくりへの支援や参加支援といったとき、例えば、既存の団体である自治会や民生委員、社会福祉協議会に仕事をお願いしてやってもらうということだと、結局、いつも同じメンバーが様々な仕事を担ったり、地域の負担が増えたりして、やらされ感ですることではないと思うので、今まで携わっていない人の掘り起こしや、多様な主体の自主的な参加をなるべく取り込むことが必要ではないかと感じる。具体的に地域中心といったときに、自治会などは加入率が50%を切る状況だが、地域との連携や進め方をどのように考えているのか。
◎仕明地域包括ケア推進課長 委員の言うとおり、地域もかなりいっぱいいっぱいで動いてもらっているのは承知しているので、地域にさらに負担をかけるのではなく、まずは職員間の情報共有や分野横断的な相談支援体制から始めて、地域づくりに関しても、必要な情報をこちらから提供することで、活動がより活発化できればと考えている。さらなる負担を強いるような形で取り組むことは考えていない。
◆阿部善博委員 地域でも、いろいろな事業が起きると心配する声もあるが、いいことなので、しっかり回る形で、市の負担も過剰にならないようにしながら継続できるように、こういういい取組が続けられる体制づくりを、しっかり準備して取り組んでもらいたい。
○栗原大委員長 他に質疑はないか。(「進行」と呼ぶ者あり)
ないので、以上で本件に関する質疑を終わる。
以上で本日の審査を終わる。
以上をもって子どもと高齢者などの支援に関する特別委員会を閉会する。
午前10時17分 閉会