相模原市議会議員 阿部善博 議会発言集

相模原市議会での発言一覧です

【反対討論】市長公室設置に反対 2019年(令和1年)12月定例会議 12月20日

      2026/04/15

相模原市 令和1年 12月定例会議 12月20日-07号 ※相模原市議会議事録

【反対討論】議案第135号相模原市行政組織条例及び相模原市一般職の給与に関する条例の一部を改正する条例について

☆「市長公室」設置に反対

P.344 45番(阿部善博議員)

◆45番(阿部善博議員) 自由民主党相模原市議団を代表し、上程されております議案第135号相模原市行政組織条例及び相模原市一般職の給与に関する条例の一部を改正する条例についてにつきまして、代表質問及び総務委員会での議論と会派内で議論を尽くしました経過から、反対の立場で討論を行います。
 本議案は、新市長就任後の組織機構の見直しにより、従来の企画財政局が行っていた重要施策の企画、調整機能を新設する市長公室に移管させ、局相当の組織とすることで、SDGsの達成に向けた取り組みや市民の市への誇り、愛着の醸成、市内外への魅力の発信を強力に推進する、そのような効果が期待されているとのことであります。
 しかし、本市が取り組むべき重要な課題は、SDGsの達成以外にも多々あります。総合計画に位置づけられる施策や市民生活に直結する大切な事業がどうなるのか、市長公室が果たして市全体として有効に機能していくのか、依然、不透明なところであります。
 法令でも、相模原市行政組織条例が基づいております地方自治法第158条第1項に続き、第2項に前項の内部組織の編成に当たつては、当該普通地方公共団体の事務及び事業の運営が簡素かつ効率的なものとなるよう十分配慮しなければならないとあります。今回の改正が法の趣旨を十分に踏まえたものと言い得るのか、市長公室だけでなく、本当に市民のためとなる簡素で効率的な市役所となり得るものなのか、議論は十分ではありません。
 本市をめぐる状況では、今後の変化が想定される要素が多数あります。拙速な決定は、着実な組織づくりにつながらないばかりか、変えたばかりの組織にこだわるようなことがあれば、フットワークのよいスムーズな改善ができなくなり、反対に状況が変わるごとに、その都度、組織を変えるようなことになってしまっては、かえって現場の混乱や、新しい業務になれるまでの非効率や作業ミスの要因となります。急がば回れの言葉にありますように、適切な時期に十分な準備を行った上で取り組みを進めるべきと考えます。
 市では、現在、新規事業も事業拡張も凍結し、全ての事業をゼロベースで見直す、そのような行財政構造改革プランに着手しようとしています。その結果を待たず新たな組織改編を行うことは、非効率でもあり、少なくとも構造改革の取り組みの一環として、事業の見直しとあわせた新しい組織の検討を行うべきです。市長はこれからの本市の安定的な自治体運営を憂いて行財政構造改革プランを策定するわけでありますから、策定後のプランによる事業実施に対応した組織編成こそ、行政の充実と安定的な自治体運営につながるものと考えます。
 他都市の状況等につきましては、他の政令指定都市19市では、約半分に当たる9都市で市長公室が設置されていますが、今回の議案のように企画部門がその中にあるのは京都市と堺市の2市であります。京都市では総合企画局の中に特命事業に限った担当として市長公室が設置されていますから、実際に本議案と同様、市長公室に企画部門があるのは堺市のみです。ほかにも市長公室を置いている自治体は全国に多数ありますが、その機能や役割はさまざまであり、それぞれのまちの市長公室が各まちの歴史や文化、伝統に根差しており、本市にとっても同様にふさわしい組織となり得るかどうかは全く別問題です。むしろ、本市に求められるものは、新しい市長が目指す姿をわかりやすい形で示す、全く新しい本市らしい組織の検討と考えます。
 名称に関しましても、市長から発せられる市長公室という響きからは、市長がみずから先頭に立ちリーダーシップを発揮するという強い意志は伝わってまいりますが、この市長公室という言葉自体、そもそも我が市の市民にとってなじみがなく、どのような内容かイメージしづらく、市民に優しいものではありません。住民にわかりやすい言葉で伝える工夫が全国で取り組まれ、行政用語の見直しが進んでいます。名は体をあらわすの言葉のように、その名称から何をしている部署か、どんな思いが込められているのか、市民、職員が誤解なく見てすぐわかる、そんな名称を考えるべきです。町なかで本当に市民の声を聞けば、市長公室って何ですかと言われてしまうような説明が必要な名称にはならなかったと思います。
 また、市長の名を冠した組織は、ほかの組織よりも重みが感じられ、政策を進める上での推進力を十分に発揮するものと考えられますが、一方で市長の鶴の一声で物事が決まったりしないか、市長公室長が市長の代理人のようになってしまったりしないかという不安の声もあります。市長と公室長との関係の明確化や政策決定のプロセスに透明性を確保する施策が新たに必要となるのであれば、そもそもそのような対策が要らないように、市民に開かれたわかりやすい組織づくりを進めるべきであります。
 対話とボトムアップの市政について、市長は市民との対話を重視し、市長みずからが直接市民と会い、その声に耳を傾ける行政を始めました。これは大変すばらしいことでありますが、大切なことは市長だけが市民の声を聞くのではなく、市役所全体で全ての職員が丁寧に市民と対話をしながら、行政を運営していくことです。市民と直接やり取りする現場職員の声から政策をつくり、限られた資源の中で、より効果的な行政運営を実現するためには、一人一人の職員の力を伸ばし、現場で迅速、的確な判断ができるだけの十分な庁内分権が必要です。
 市長公室のあり方は、ややもすれば中央集権的とも受け取られかねず、こうしたボトムアップによる行政運営と庁内分権の方向に逆行してはいないか、慎重な検討が必要です。市長自身が構造改革への全職員の参加と提案を募るというすばらしい姿勢を示しながら、新しい組織がそうした姿勢を感じさせないということは、まだまだ一考の余地があるのではないかと考えます。
 市長公室の事務分掌につきましては、市政に関する総合計画並びに重要施策の企画及び調整に関することとあります。市長公室は市長のトップマネジメントを補佐し、情報共有と合意形成の円滑化により、総合計画を強力に推進し、重要施策の実現を図るための組織と考えられます。しかし、一方で本市は総合計画の前期実施計画の策定を1年間先延ばしすることとなりました。片方で総合計画の策定を立ちどまり、もう片方で同じ総合計画を推進する部署を創設するということは、市民にもなかなか理解しがたい状況です。きちんと実施計画が策定され、どのような事業に取り組むのかが見えてきたところで、総合的に組織のあり方を検討するべきです。
 今やるべきことは、行財政構造改革プランに全力で取り組み、今後の市政の方向性を確実に定めることであります。そのための組織改編であれば理解するところではありますが、そうではありません。本議案の施行期日は令和2年4月1日であります。決して今すぐに議決しなければ間に合わない緊急の事案であるとは考えられません。条例で大枠を決定してから、十分な時間的余裕を持って詳細を決めていく、そうした取り組み自体、否定するものではありませんが、同じ時間と労力を局制度も含めた事業のボリュームや内容に合った本市組織のあり方についての議論に費やすほうが、より市民のためになるものと考えます。
 今回の議案は局の設置についてでありますが、行政組織は部や課を含めた総合的な配置編成により実効性が確保されるものです。部や課の編成権は市長の専権事項ではありますが、議会としても組織の実効性を考える必要がありますことから、部や課に至る組織の詳細がまとまるまで慎重な姿勢が必要です。
 今回の組織改編について、市民の方に私からも説明をしたとき、新しい市長の新しい組織、トップが女性だったらいいな、民間人の登用がいいな、そんな希望ある声もありました。しかし、夢のある取り組みには現実的な実効性が必要です。
 今回の議案には、これまで述べましたとおり、まだまだ議論の余地が大きく、時間が必要です。そうした意図もあり、我が会派では総務委員会での審議において本議案を継続審査とすることを提案させていただきましたが、力及ばず、他会派皆様からの同意を得ることができませんでした。が、本会議場での採決におきましては、ただいま申し上げました我が会派の主張を十分にお酌み取りいただき、各議員の皆様には我が会派に同調していただきたく、そのことを求め、自由民主党相模原市議団の反対討論とさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

※その後、令和3年3月定例会議にて、 3月23日に一般質問を行い、その後の市長公室の評価等を伺った。

以上

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